病院紹介
理事長挨拶
当院は、糖尿病診療を中心に内科系疾患の外来、入院治療を行っています。現在は常勤医13名(そのうち糖尿病専門医5名、放射線専門医、消化器内科専門医、呼吸器内科専門医、総合内科専門医、透析専門医、専攻医)、そのほか非常勤医7名(そのうち糖尿病専門医3名)、総勢20名の診療部と、糖尿病認定看護師2名、糖尿病療養指導士45名を柱に、薬剤部、看護部、放射線部、検査部、栄養部、リハビリテーション部、地域連携部、事務部の各部門が連携を取り合って患者さんの療養を支えます。近年は診療情報管理室や地域連携部の役割も大きくなってきました。現在4,000人前後の糖尿病患者が通院中です。患者さんの心身の訴えを大変貴重な学びの核として、常に学び、常に改善を重ねてより良い医療を提供できるように日々研鑽しています。
糖尿病は、経年的に進行する様々な血管合併症に注意しなければなりません。免疫系の弱さから感染症や癌についても注意が必要です。糖尿病治療とは、糖代謝をできるだけ良好に保つことで、それらの合併症を少しでも減らそうという目標に向かって、患者さんと医療者がチームを組んで挑戦し続けることだと思います。長い戦いの途中で、患者さんが挫けそうになった時に支えられる様々な仕組みを準備しています。「糖尿病教室」、「腎症教室」、「透析予防教室」、「メタボ教室」など、学びの場を提供しています。うまくいかなくなった時に再度受講したり、「療養指導」や「栄養指導」、「運動指導」をうけて目標を再確認したり、同じ戦いをしている仲間たちと心境を分かち合える「はまゆう会」に参加してみたり、頑張るために利用できます。糖尿病患者さんは足に傷をつけると治りにくいため、日常的に注意が必要です。当院では「フットケア外来」という足を診る専門診療部門もあります。血管合併症、感染症、癌を診断するために、放射線科が重要な役割を果たしています。
脳梗塞、心筋梗塞、下肢動脈閉塞、腎不全、視覚消失と、どの血管合併症も重大な病態で、損傷を受けた部分は完全には元に戻りません。そういう事態が残念ながら起こってしまった時には、専門の医療機関と連携をとって治療を進めます。当院では、合併症のその後の療養をサポートするために、リハビリや透析も行っています。現在110人前後の方(そのうち80%が糖尿病性の腎不全の方)が透析を受けておられます。
誰でも自分の人生は自分で決めたいものです。そのためには、体のことや病気のことを正しく学んで、自分の意志と責任のもとに医療をうけることが重要となります。患者さんがどのように糖尿病と折り合いながら人生を過ごすのか、個人個人の意思を尊重して組み立てる「オーダーメイド医療」を理想として、私たちは知識と経験を積み重ねていかなければならないと考えております。皆様に頼りとされる病院とりますように精進いたします。
令和6年1月
理事長 山下優子